野草を食べる 春の市場 Vol.3
私は気にもとめずに通り過ぎたところで、彼は立ち止まって、主人と話をしていた。
並んでいるのは、多肉のような葉っぱと、ピクルスの入った容器。
看板には、DENIZ OTU(海草)KAYA KORU
と書かれている。
値段は何と1kg20TL 。
ものすごく健康に良い野草らしい。
買おうかどうかと躊躇していたら
「お金がないのかね?少しあげようか?」
とおじさんが言ってくる。
「いやいや、お金の問題じゃないんだけど、どうやって食べたらいいかと思って・・・」
こんな多肉植物、どうやって食べるのかなと思ったら、
「こうやってピクルスにするといいんだよ」
奥さんが蓋を開けて見せてくれる。
「手作りなの?お酢も?」
というと、
「ピクルスは作ってるけど、お酢は市販のだよ。自分で作ったら高くつくからね。」
という。
「この市場でコレを売ってるのは、ワシくらいのもんだよ。キチガイじじいさ。」
と主人が笑って話す。
そういえば、市場ももう閉店間際だというのに、まだまだ山積みになっていた。
知っている人はまだ少ないのかもしれない。馴染みがない上に、普通の野菜に比べ高級なので、やはり手が出ないのだろう。
ふと見ると、横にいる奥さんもとても知的で澄んだ眼をしている。
ピクルスは30TL もしたので、とりあえず、生のものを500g買うことにした。
食べきれなかったらピクルスにすればいいさ・・・。
このKAYA KORUは、海辺の岩場に生えていて、ヤギはこの草を食べているので、病気にならないのだそう。
エーゲ海、地中海沿いに生えているようだけれど、ここFethiyeの近く、Antalyaで採取している様子を見つけたので、こちらに貼っておきます。
それにしてもどうやって調理するのかな・・・こんなにたくさん買った野菜、食べきれるのかしら・・・と思っていたら、翌朝目覚めてみると見事に調理されていたのでした。
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