Sirince シリンジェ村 Vol.3
カーテン越しに、雨が降っている気配が感じられる・・・。
薄曇りの空・・・普段なら憂鬱になるようなそんな空も、この部屋から眺めると静かな平和に満ちている。そしてもちろん、この村そのものが静かで平和だ。
向かいの小さなモスクから、エザーンの調べが流れてくる。
(美しい抑揚に富んだアラブ語のそれは、エザーンをきっちりと学んだ人のそれだと、後から起きてきた彼は言った)
小雨が止んだところで、バザールへ行ってみようと思い、外に出てみる。
門を出たところで、写真を撮ろうとしていたら、通りかかったおばあちゃんに声をかけられ、思っていたのとは違う方向、坂の上の方へと導かれる。
下の方の、観光化された部分とは異なり、上の方は貧しい農村の家が並んでいた。昨日Okanが話していた通りだ。観光から取り残された部分の人たちの中には、日銭を稼ぐのにも困っている人たちがいる。
途中、東洋人らしきカップルと出逢った。台湾からのツーリストで、これから10日間ほどかけてトルコを周るのだという。
学生時代、世界一周を台北から始めた時、台湾の人たちにはとてもお世話になったと話すと、喜んでくれた。
台湾からは、この村を訪れるツアーがあるようで、後で気づいたら、観光客のほとんどが、中国系、もしくは韓国系、そしてトルコ人で、欧米客は少ないようだった。
おばあちゃんは自分が仕入れたハーブを買って欲しいようだったけれど、何を買うべきかわからず、後でまた旦那と来るからねと行って別れる。
そのまま道を進んでいくと、村の外れに出た。
私の写真では伝わりきれないと思うけれど、それはそれは懐の深い、暖かい自然が広がっていて、胸を打たれる。
庭先でお茶を飲むおばちゃんたち。
屋根の修理をするおじちゃん。
煙突から立ち上る煙・・・そしてその向こうに広がる、包容力のあるやさしい自然・・・。
その風景は滋愛に満ちていて、ただただ私を包み込む・・・。
右手の丘では、山羊たちが草を食んでいる。
村はずれは、まるで御伽の国の入り口のようで、
野生のカモミールのそばを清流が流れる・・・。
この春生まれたらしき子山羊を2匹連れた母山羊を釣れて歩くおばちゃん。
子山羊たちは、本当に跳ねるように歩き、
母山羊のあとを付いて行く。
先頭をあるくのは、犬・・・。
家畜も、共に暮らす存在達なのだと感じる。
Sirince シリンジェ村 Vol.4に続く。
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