Poçi kebabı ポチケバブ
日曜の夕方・・・。遅めのブランチをしっかり食べたとはいえ、そろそろお腹がすいてくる時間帯。
「お腹空かない?」
「少し・・・」
「お肉買ってこようか・・・?」
「何作るの・・・?」
「何がいいの・・・?」
「そうだ、Poçi kebabı(ポチケバブ)を作ってやるよ」
ポチとは、いわゆるテールのことで、先日一緒に肉屋に行った時、見かけたのを覚えていた相棒が、晩御飯を作ってくれることになった。
お遣いは私。
スーパーで、玉ねぎ、じゃがいも、にんじん、万願寺とうがらし等を買って、その帰りにお肉屋さんに寄る。
「ポチが欲しいんだけど、半キロ」
「ああ、もう表に出てるのはないね」
カウンターの中の男性がそういうと、キャッシャーのおじさんが、
「(冷蔵室の?)中にまだあっただろう。それを出してやって」
ということで、まさに尻尾の部分を出してきて、目の前で切ってくれる。
それを紙にのせ、測って値段をキャッシャーのおじさんに伝え、そこでお代を払う。
「トルコ語上手だね」
「いやいや、そんなことないですよ、もう恥ずかしくって」
「どのくらいトルコに住んでるんだい?」
「ずっと前5年くらいイスタンブールに暮らしてたんですよ。」
「おお、わしもイスタンブール生まれなんだよ。55年間住んでた。フェティエには4年前に来たばかりさ。」
そんな会話があってお買い物終了。
日本にいるときは豚か鶏肉をグリーンコープで買っていた私。日本では牛肉は高いので手が出なかったし、特に美味しいと感じなかったというのもある。
それが、トルコに暮らし始めて、お肉屋さんを利用することが多くなった。
予算の関係で鶏肉を買うときは、スーパーで買うのだけれども、やはり鶏肉にはいろんな不信感があるし(抗生物質や様々な薬を投与されているので)、牛肉を買うときもスーパーのパック詰めのものではなく、お肉屋さんで新鮮な良い肉を求めるようにしたのだ。
ひき肉や角切りが欲しいときはもも肉の塊をその場で挽いてもらったり、切ってもらったりして使っている。
日本でもお肉屋さんでは紙に包んでくれるところが多かったと思うけれど、こちらでも、こういう紙に、簡単に包んで、袋に入れて渡してくれる。
これは近くのとっても質の良いお肉屋さん。地元のお肉のみを扱っていて、自家製のスジュック(牛肉を使ったスパイシーなサラミ)なども置いてある。
材料が揃ったところで、調理が始まる。
一度モードに入った彼は機嫌がいい。
大家さんであるteize(おばあちゃん)にも、小一時間程度でご飯持ってくるから、それまで食べないで待ってるように伝えて・・・ということで、2階に住んでいるteizeに伝えにゆく。
さて、このPoçi kebabı、手順はいたって単純。
まずは鍋にバターを少し入れ、弱火にかけて溶かし、じゃがいも、人参、玉ねぎを敷いて行く。
その上にポチ(テール)を入れ、あとは残ったじゃがいもと玉ねぎの薄切り、万願寺とうがらしの乱切り、トマトのざく切りを入れ、小さなニンニクを2個分ザクッと切って入れる。味付けは、塩、(好みで胡椒)、粉唐辛子ふたつまみ、カレー粉少し入れて、コップ一杯の水を注ぎ入れて蓋をする。
あとは弱めの中火でコトコト煮込むこと1時間強・・・。その間に私はトルコ式のご飯を炊く。
大体できて、あとは10分くらい蒸らしたらOKという時に、teizeが庭にいるのが見えたので、それを伝えようと外に出る。
「まあ、わざわざそんな作ってくれなくても良かったのに・・・」
teizeは夕方になったので、この春生まれたひよこ達とそのお母さん鶏を小屋に入れるところで、おしゃべりしながらその小屋を見せてくれた。
この春は2羽の雌鶏がそれぞれ 8個の卵を孵し、それぞれ別々の小屋に入れているそう。
残りの雄鶏と雌鶏たちは、隣のトゥーべ(有力者だったらしい人のお墓)の敷地内から伸びているオリーブの枝に上って、寝る準備をしている。
オレンジとレモンの季節が終わった庭には、ビワがなっていて、それをちぎってくれる。
オリーブの花も咲いているので、秋にはオリーブが実ることだろう。
なんとも平和な雨上がりの夕暮れ時だった。
後で聞いたら、この日は日本でいう一粒万倍日みたいな感じで、一日喧嘩をせずいいことして過ごすと、ずっといいことあるよ・・・みたいな感じの日だったらしい。
こちらに来て、本当に毎日色々あって、正直めげることの方が多かったのだけれど、こうやって美味しい食事を一緒に食べられることに、感謝するしかないなあ・・・と思った1日の終わりでした。
AFIYET OLSUN(アフィエット・オルスン)...!(bon-appetit!)
トルコ料理#トルコ#海外生活#Fethiye#テール
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